ガス室前の処刑台

この収容所に送られた人たちのうちおおよそ9割がガス室で抹殺された。
人を抹殺するためのガス室とこの処刑台・・・・人の命を絶つ道具であることに変わりはない筈だが、一体何の意味があってガス室の前にこんな物があるのか?

僕なりの解釈をしてみれば、ガス室はだたある民族絶滅の為につくられた設備でであるのに対し、処刑台はその言葉通り、人が規則や規律を破ったとき、その行為に対する裁きの結果としての処刑をする為の道具ってことか。

おそらく、選別の後ガス室行きを逃れ重労働を科せられた人のうち、病気や衰弱で働けなくなった人はガス室へ、一方、規則を破ったり脱走を試みた人はこの処刑台で処刑されたのではないだろうか。 全く無慈悲、理不尽な殺戮工場の同じ敷地にある処刑台。(勿論、見せしめの意味もあるだろうが、この場所で日々行われている事を考えると、それが見せしめの意味をどれだけ果たせると言うのか・・・・・)

これ程大規模なもので無いにせよ、かつて日本人も様々な殺人研究施設を運用した筈だね。 そこでは、被害者のことを「丸太」と呼んでいたと言う。 我々日本人は、自分たちが受けた被害(原爆)に対してはヒステリックなまでに廃絶運動を行い、それらに拘わる施設の維持に熱心だ。 でも、それと比べれば、加害者としての負の遺産をどれ程熱心に伝えようとしているのだろうか?
因みに、ポーランド南部にあるこの小さな町にある収容所(博物館になっている)維持の為に、一番資金を出しているのはドイツであり、一番多い訪問者もドイツ人だと言う。

最後にタケちゃんのコメントを:
ユダヤ人虐殺のアウシュビッツは快晴で気持ちに良い日にもかかわらず、
時々背筋が寒くなるのを禁じえませんでした。