右手のラジオ局は、僕が20歳前後に何度か訪れた頃の建物だろうか?
同じ建物なら、ここはパリの西の方だと思うけど、確かミラボー橋が近くにあるかな。
夜の帷が降りて、建物に明りが灯りはじめると、昼間とはまた違った、色んなことが
僕の想像力を掻き立てる。 あの明かりの中で働く人の影を見ていると、「いろんな
人がいろんな夢を抱いてパリに来る。 あの人はどんな夢を持って働いてるんだ?」
なんてね、この街はそんな想像をかき立ててくれる。
間もなく日が暮れようとしているパリの街。
この街は僕にとって、まるで劇場の舞台のように思える時がある。
今日の幕は下ろされても、明日、また違った場面を見せてくれる。
まるで舞台の暗転のように。