CENTRAL SUPER LIGHTER

No.126

VIETNAM  HOI AN

67−68


18th Engineer Brigade

心底憎み合う直接的な理由もない人間同士が、戦争という名の元に殺し合わねばならない理不尽さ。
生と死の狭間にあって、ホッと息を抜ける一時・・・・そんなつかの間の息抜きの時、多くの兵士達のポケットから取り出されたのがタバコとライター。 

ライターに刻まれた文からすると、第18工科部隊(工兵)の一兵卒が所持した物らしい。
裏には日本語で言う所の「遠くの親戚より近くの友」のような文章が刻まれている。
(When you are not with the one you love, love the one you are with.)

ベトナム、ライターと言えばZipoと言うのが一般的だが、ここに紹介するのはCentralのオイルライター。
相当使い込まれた物らしく、ホイール(ヤスリ)にガタが少しあって、ヤスリもすり減っているため、点火率は10回に2回位だろうか。 でも、火がついた瞬間、何とも言えない古臭いオイルの焦げるような臭いが漂う・・・・うーん、これがいい。

幸い、Zippoとサイズは同じなので、普段はZippoのインサイド・ユニットをこのケースに入れて使っている。
※一緒に写っている COLT はモデルガンです。 ところで、このライター、ホントにベトナム物

     
このライター、ホントにベトナムもの?

実はこのライター、ネット・オークションで¥200で買ったものです。
本物のベトナム物(ベトナム戦争で使われたライター)がこんな値段で買えるはず無い事くらい、僕にも解ります。 ただ、幾つか、僕なりに疑問もあるのです・・・・ひょっとしたら、本物かも知れないっていう。
では客観的に、このライターを見てみよう。

否定的見解:

1. 一般的にベトナム物はZippoと言うのが常識になっている。
2. Centralなんてメーカー、ネットで調べても見当たらない。 へたすると国産かも知れない。
3. ベースは真鍮でなくスチール製。
4. 値段が安すぎる。

肯定的見解:

1. 相当に使い込まれていて、確かに、かなり古い物であることは間違いない。
2. 彫られている内容から、工科部隊のものであるようだが、偽物ならもっとメジャーな部隊にするんじゃないか? 例えば空挺師団なんかは人気が高いよね。 工科部隊ってのはつまり銃後の部隊、多分整備関係の部隊かも知れない。
偽物作るのに、わざわざこんな地味な偽物作るだろうか?
3. 蓋を開けた時の臭い、火を点けた時の臭いがライター用オイルを燃やす臭いだけではない。
これは軽油か、それとも何かのLub Oilの混じった、何とも言えない古くさい臭いがする。 これは実際に、例えば工科部隊なんかで整備任務にでも就いていて、日々使っている内に、ライターの置き場所や、整備用オイルをこぼしたとか、ライター用オイルを切らしたとかで、応急的に他のオイルを補充したとも考えられる。
4. 偽物ならやっぱZippoで作るのが自然。
むしろ、Zippoで無いところが偽物らしくない・・・・とも考えられませんか?

どっちにしろ、僕にとっては偽物でも本物でも関係ないと言えば関係ない。
僕はこのライターに惚れてかったんであり、その惚れた相手のケースに偶々、ベトナム関連の彫り物があった、といっていい。 第一、最近、ベトナム物と言われるZippoの少なくとも5割はフェイクだと言われている。 いや、それ以上だという話もある。
専門的に扱う業者ですら、本物か偽物かは確定出来ない場合の方が多いと聞く。
となれば、このくらいの値段なら、本物偽物なんてどうでもいいんだよね。
要は本人が惚れられるかどうか、だけの事なんです。
ベトナム物ってブランド?指向で買い物する人は別にしてね。