同級生からの電話 近くに住む同級生から電話が入った。 「お前、確か小中の頃星が好きで天体望遠鏡持ってたよな?」 「持ってたけど、どないしたん?」 「仕事で家の解体してたんやけど、そこの奥さんがな天体望遠鏡も処分してほしい言うんで貰ってきた。 相当古そうやけどオークションか何かで売れへんやろか思ってな。もし売れたら半分お礼に渡すから見てくれへん。」・・・・・と言うわけで、徒歩数分の彼の家にお邪魔してみると、そこには錆と埃だらけの西村製作所製の反射望遠鏡が置いてあった。 価値はと言うことで、早速ネットで望遠鏡の買取り業者を調べて確認してみると3〜5万円とのこと。 売るのはいいが、この望遠鏡、僕が小中学生時代憧れていた機種やないですか。 そのことを彼に伝えると、こんなオンボロ使えるの?と聞いてくる。 「いや、そのままじゃ無理やけどリストアしたらまだまだ使えるで。 僕買ってもええわ。」 「お前に売るわけにもいかんやろ、使うならやるは。 その代わり、使えるようになったら一回だけでええから月見せて。」 と言うわけで嘗て夢にまで見た西村製作所製の反射望遠鏡(口径15cm 焦点距離125cm)が我が家にやってきた。 僕が初めて天体望遠鏡を手にしたのは小学校5年の時だったか。誕生日のプレゼントに父が買ってくれた、エイコー製の口径4cmの卓上型反射望遠鏡だ。 夕食後、我が家の庭から見た満月は今でも目に焼き付いている。 その後、この望遠鏡では満足できなくなり、わずかな小使いを貯め屈折望遠鏡(口径8cm)の組立キットを買った。 キットとは言えレンズと鏡筒部だけのもので、しかもその鏡筒は厚い紙製で、ピント調整は厚紙のパイプを直接出し入れして行う・・・そう、ラックピニオンなんてものはついていない。 架台と三脚のキットもあったが、小学6年生の僕にそんなもの買える余裕もなく、完成した望遠鏡を物干し台に乗せて月や惑星を見ていた。 当たり前のことだが、しばらくすると腕が怠くなってきて月でさえゆっくり見ていられない。 やがて中学生になり、小使いやお年玉を貯めて買ったのがアストロ光学製の簡易赤道儀式のニュートン式反射望遠鏡。 型番は忘れたが、口径が確か87mm位の中途半端な物だった。 ただ、この頃になると地元の私立高校屋上にあるドームに設置された西村製反射望遠鏡(口径25cm)を使わせてもらえるようになる。 中学も3年生になると興味はほかのものに移り、天体望遠鏡で星を見ることはなくなっていった。。 リストア前の状態 全体的に埃だらけで鏡筒内外やセル、ヨーク部に剥げや錆が認められ、高度調節棒は全面錆で覆われている。 主鏡のメッキはすでに飛んでしまいカビが半面近く覆っている。 斜鏡や接眼鏡、ファインダーのレンズは曇りだけでクリーニングで対応できそう。 ただ、ファインダーの十字線は切れている。 駆動部のグリス類はすでに固化してガチガチ・・・・当然、水平微動ハンドルは動かない。 右画像は簡単に拭き掃除と錆落としをした状態です。 ※右画像をクリックすると拡大表示されます。 各部の状態
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