トレンチライター

僕が小さい頃の遊びの一つに、戦争ごっこがあった。
その辺に落ちている木ぎれを腰に差して、ベルトには銀玉鉄砲。
そんな格好で相手と陣取り合戦をする。
そんな頃のある日、友達の一人が妙な物を持ってきた。
「これ何や?」
「手榴弾とちゃうか?」と誰かが言った途端、そこに集まっていた悪ガキどもが一斉に一歩引く・・・・と、この妙な物を持ってきた張本人が「これおとん(お父さん)のライターや。」と一言。

トレンチライターのTrenchとは塹壕の事。
戦時中、塹壕の中で様々な物資が作られたが、そんな中にライフルの薬莢を利用して作られたライターがあった。 多分、これがトレンチ・ライターと呼ばれる所以なんだろうけれど、こんな話もある。
このライターが作られた第一次大戦頃は、ライターの蓋はネジ式だった。 これでは、腕を負傷した兵士がライターを使いにくいと言うので、このライターをトレンチ・コートのベルト掛けに吊して使えるようにした。 使う時は、ライターを持って、引っ張り上げると芯を覆うフードが自動的に開くってすんぽうだ。(トップの写真参照)

左端 IMCO Ifa 1920年製のIfa Stream Line 4000 オリジナル。
中央 IMCO Ifaの国産レプリカ。
    
右端 IMCO Ifaのレプリカ。

IMCO Ifa Stream Line 4000

1920年に作られたIMCOオリジナル(オーストリア製)のライターで、一般的に知られている円形のIfaでなく、楕円形で、スライド部には市松模様がついている。

このライターは味があっていいよ。
今じゃ僕の宝物の一つ。

IMCO Ifa 国産レプリカ

これは国産のレプリカで、1950年〜55年の間に作られた物。
レプリカとは言えとても、これは実に良くできていて、オリジナルと見分けがつかない位の出来だと思う。 
IMCO Ifa のレプリカ。

これは現代物で、購入して品物が到着したその日、僕が出掛けてる間に娘がこのライターをテーブルから落としてくれた。 お陰で、フードがうまく閉まらなくなり、仕方なく分解して色々と調べてみた。 動作不良の理由は、フードを引き下げるフックの変形と解り、色々調整してる内にコレが折れた。
これまた仕方なく、真鍮線(これらライターの素材はすべて真鍮)を切って、この部品を作って調整。 フック変形の原因は、フックがちゃんと固定されてないからのようだ。
オリジナルも古いレプリカも、この部分はちゃんと半田付けされている。
早速、この部分のメッキを剥いで半田付けしたが、「えーい、ついでだ」と、全体にペーパー掛けしてメッキを剥いでしまった。

特 徴

これらトレンチ・ライターは基本的に、オイル交換や石の交換などで、いちいち工具など使わなくてもいいような設計になっている。

右写真のように、石の交換の際はロッドを下に引き下げ、石交換用の窓から石の交換や装填が出来る。 オイルは、ライター底にある蓋をネジ開けて補給する。

使用法は、鎖(紐が一般的)の先のクリップをズボンのベルト掛けに通し、ライターはポケットに入れておく。 火を点けたい時は、ライターを持って
タバコの先辺りにライターをもってくと、鎖が引っ張られてライターがスライドし、フードが開く。 そこで点火ってことになる。

手間がかかるのか、便利なのか・・・・・・・
今のライターに比べると、自動ライターだのワンハンド・ライターだのといった言葉とは正反対のライターに思え、実際、けっして便利なライターではないな。 でも、いいんだなあこの不便さが。

トレンチライター(ここではIfa)を片手で使う方法。
こちらをご覧下さい。
流れている曲は「リリー・マルレーン」・・・・20,000 VolksliederよりDL。