ナショナルのキット物??
ST管 5球スーパー
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ST管のラジオが欲しかった。
といって、高価な物を買う余裕などないから、オークションで数千円程度のを探していると、僕と同じアマチュアハムの方がレストアしたと思えるラジオが出品されていた。 真空管や一部のコンデンサーは交換済みとのことだから、これが本当なら安く付きそうだ・・・・と言うわけで、早速入札、そして無事、希望していた価格で落札した。
数日後、思っていたより大きな荷物が僕の家に配達された。
そうだな、僕が想像していた荷姿の2倍はあるだろうか。 一体、どんなでかいラジオやねん?
さっそく、この大きな荷物のガムテープを無造作に剥がして箱を開いてみると、厳重な梱包の中にやっぱり思ったより相当でかいラジオが鎮座している。 それに、期待通り、なんだかとっても古そうだ。
作られてから少なくとも50年以上は経過しているラジオに、全く無防備に通電することはやめた方が良い。
それは分かっているんだけど、今回はアマチュアハムの方が一応の整備をしていると言うことだったし、スピーカー線が新しい物に交換されていることは簡単に確認出来たので、内部を確認することなくまずは通電してみる。
付属のアンテナ線を延ばし、電源プラグをコンセントに差し込む。
恐る恐る電源スイッチを入れる・・・・・暫くして雑音がスピーカーから出てきた。
まずはPLがちゃんと点く事を確認し、真空管の灯り具合も確認する。 変な臭いもなく、無事に音も出るようだ。 チューニングツマミを回すと、思ったより感度も良いらしく強力に放送を受信する。 無線で使うシグナルリポートで言えば文句なく59の領域だ。
次はPU端子が生きているかだ。
CDラジカセのイヤホン端子からとっている信号線をラジオのPU端子と思われる所に接続。
ボリュームツマミを左に回しきると、カチッと音がしてモードがPUに切り替わる。
CDラジカセにCDをセットして早速再生してみるが、おっと、音が全く出てこない。 ウンともスンとも言わない。
ちゃんとPUモードへの切り替えが出来るし、端子もあるのに音が出ないと言うことは信号線の断線か?
週末、ケースからシャーシを取り出して回路を点検してみる事にした。
3個のツマミを取り外してからシャーシを止めている2本のねじを取り外し、念のためスピーカーコードを外して慎重にシャーシを取り出す。 真空管は付けたままシャーシを裏返して、倒れないように固定する。
全体を見渡した所、オークションでも説明されていた通り、中は綺麗に掃除され、一部のコンデンサーやコードが交換されている。 さすがに、ラジオに関する部品で交換が必要な部分は無さそうだ。
PU端子はと言うと、これは結線が外されている。 これでは音が出なくて当然。
でも、何故せっかくあるPUラインを意図的に断線させてあるのか?
途中に何の部品も介在して無いわけだから、単純に考えればこの2本の線を半田付けすれば機能は回復するはずなのだが・・・・・・。
シールド線を裸で配線して、その網線部分同士を半田付けしてシャーシに落としているが、このアースが浮いたからなのか・・・・いや、念のためテスターで芯線と網線の間の絶縁をテストしてみると見事、導通、つまり短絡している。 原因は意外に簡単なところにあったね。
問題のシールド線を取り外し、オーディオ用のシールド線を新たに結線し直した。
スピーカーコードを繋ぎ直して試してみると、しっかりCDラジカセからの再生に成功。
これで作業終了とシャーシをケースに戻しかけてふと気が付いた。
このラジオにはパイロットランプが2個あるんだけど、このランプ同士を繋いでいるコードの被覆が劣化で裂けかけている。 取り敢えず深刻な状況では無いが、気持ちの問題なのでこの部分の交換もついでに行った。
補修後の様子
内部は綺麗に掃除され、劣化部品も交換されている。 |
ボリューム部分(右は電源スイッチ)
矢印が交換したシールド線 |
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劣化しているコードを交換 |
後側から見た様子 |
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シャーシのケースへの取り付け方や、回路図を貼ってあった形跡が無いことなどから、このラジオはキット物だったような気がする。
回復したPU回路を使ってCDラジカセからのCDの音を聴いてみると、それはもう僕が小さい頃によく聴いていたあの懐かしい音。 特に、流行歌と言われていた頃の曲を掛けると部屋の中は映画『三丁目の夕日』の世界。 先に手に入れた2つのラジオの音とはまた違う、とっても懐かしい音の世界が広がる。
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