30年目の約束 台 湾 2019 2/3 |
北港朝天宮 阿里山のある嘉儀県へ行く途中、雲林県にある北港老街に立ち寄った。 ここは特に花生(落花生)が有名で、朝天宮近辺には多くの花生が売られている。 いろんな種類、そして調理法で作られたものがあり、少し小ぶりだけれどとにかく旨い。 正直言って、この旨さを知ってしまうとほかの落花生が食えなくなる(あくまで僕にとって)。
阿里山 阿里山は嘉儀県にある15の山並みからなる国定公園で、日の出・夕霞・雲海・阿里山森林鉄道・神木などで有名な観光地。 いいホテルが取れなくて御免なさいと詫びを入れられたが、台湾旅行ではいつも交通費から食費、宿泊費まで、台北で泊まるホテル代を除いて一切払わせてもらえない。 贅沢など言えるはずがないし、僕らはもともとがバックパッカーなので、どんな所でも屋根があれば天国なのです。 阿里山へは鉄道で行くのも楽しいが、かえって不便になるので曹さんの車で向かい、宿に到着した頃はすでに薄暗くなっていた。 部屋に落ち着いたところで、彼が予約してあったレストランで食事をして少し散歩。 そして夜は毎回恒例、曹さんの部屋に集まって飲み食いしながら楽しいひと時を過ごす。 ただこの日は、翌日早朝から日の出を見に行くので早く寝ようと言うことで10時に解散となった。 その日の夜中、けたたましいベルの音で僕たちはたたき起こされた。 目覚ましにしてはあまりにも異常ななり方で音もすごい。 どうやら、僕らの部屋だけでなく管内全体に響き渡っているようだ。 これは非常ベルしか考えられない。 飛び起きた僕は窓のカーテンを開け外の様子を見てみるが、真っ暗でシンとしている。 どうやら切羽詰まった危機感のある火事とかではなさそうだが・・・・やがて管内放送が始まったが中国語だけで何を言っているのか分からない。 放送が終わるや否や、ほかの部屋の扉が開いて何やら騒がしい。 すると誰かがドアをノックしている。 ドアを開けると曹さんが立っていて、火事のようだから貴重品だけ持ってすぐに下へ移動するとのこと。 こんなことがあってはと、ホテルに泊まるときは貴重品をすぐに持ち出せるようにしているので、貴重品を入れたバックとカメラ、上着だけをもって家内と外に飛び出した。 非常階段を降りながら、昔、香港のホテルで経験した火事騒ぎのことを思い出した。 ただ、今回は管内放送で火事だと言っているのだから本当だろう。 ホテルのレセプションに着くと多くの宿泊客でごった返している。 そのうち一人のホテルスタッフが奥の部屋から現れて、中国語でなにやら説明している。 曹さんによると新人のスタッフが間違って非常ベルを押したと言うことらしい。 つまり、火事ではなかったらしい。 日本ならそれこそ、スタッフ勢ぞろいで深々と頭を下げて陳謝ということになるのだろうけれど、客一人一人に「いやー、ごめんなさいね。」といった感じで軽く謝って終了。 客からクレームを言う人も現れず、それじゃ寝ようと皆安心顔、いやむしろ今回の騒ぎの張本人を慰めている人もいる。 こんなスタンス、僕は大好きなんだな。 翌朝、日の出を見るために早起きしてレセプションに行くと、日の出見学ツアーの客たちが集まっていた。 夜中の大騒ぎなどまるで無かったような感じで、スタッフもそのことでお詫びをする気配もない。 まる一日を阿里山の散策に当てた。 わずか一日、ゆっくりのんびり歩くだけでこの一帯は様々な景色、雰囲気を見せてくれる。 ちょうど桜の季節であったこともあり、桜や梅、様々な花が満開かと思えば、そこかしこに木霊の気配を感じさせる「もののけ姫」の世界もある。 曹さんに尋ねると、先にホテルに戻ってコーヒーの用意をしてくれていると言う。 林さんの息子さんはコーヒーの会社を経営しているとかで、自社ブランドのコーヒーをレストランやカフェ、ホテルなどに供給しているらしい。 ホテルに戻ると、ホテルの庭に咲いている桜の下でコーヒーやお菓子、それに北港老街で買った囍饅と言う大きな饅頭を用意してくれている。 そう言えば、この饅頭は二種類あって、子供を授かるときに男か女かでどちらの饅頭を買うか・・・・といった説明をしてくれたことを思い出した。 阿里山を後に2000m級の高山地帯を台南に向けてドライブする。 2年前の旅でも高山地帯を駆け抜けたが、今回は高山茶の茶畑を眺めながら気持ちの良い高原ドライブが続く。 阿里山の高山茶はとにかく有名だけれど偽物が多いのでも有名。 今駆け抜けているのはその阿里山高原茶の産地。 |