30年目の約束 台 湾 2019 1/3 |
前の台湾訪問から2年。 再び家内と台湾へ行くことになった。 残念ながら、今回はボスの奥さんは多忙のため同行出来ないようなので、我々夫婦だけで訪問することになった。 これまで何十回となく利用している桃園国際空港に到着すると、曹さんご夫婦と二人の見知らぬ男女が出迎えてくれた。 この二人はご夫婦で林さんと言い、曹さんのテニス仲間らしい。 今回の旅ではこの林さんご夫婦が同行してくれるらしい。 曹さんご夫婦と僕らだけでは寂しいので曹さんの気使いだろう。 これから一週間、この6人で曹さんの車に乗って台湾を旅してまわる。 空港を出るとまずは食事。 仕事で来ている時からそうなのだが、「飛行機では絶対に食事をとらないように」と言うのが彼の口癖だった。 仕事で来ている頃はいつもビジネスクラスか1stクラスを利用していたが、それでも曹さんに言わせると機内食は機内食。 食事は必ずレストランか屋台でわいわい言いながらとる。 食事のあと、新北市にある鶯歌陶瓷博物館へ。 ここは嘗て陶芸で栄えた地域で、台湾の陶芸に関する様々な展示がされている。 この博物館を見た後、すぐ近くにある陶器のアウトレット会場に行ってみる。 学校の校舎のような建物の中に、この地域で作られた様々な陶器が展示販売されていて、品質から考えるとかなり安いようで家内が少し購入したようだ。 僕はと言うと、急に尿意をもよおしてきた。 こちらでも便所は便所と書くので、早速この便所に入って用をたしたのはいいが・・・なっ、なんとトイレットペーパーが無い。 そう、こちらではこれが無いのは一般的で、便所の入り口にトイレットペーパーの自販機があって、先に購入して入るべきだった。 基本的に僕は家以外で大便することは無いので、こんな当たり前のことに気付かなかったのだ。 やもう得ない、手持ちのティッシュペーパーで処理して事なきを得た。 因みに、ホテルなんかは別として、多くの場合便器の横にあるバケツなどにトイレットペーパーを捨てる事になっているが、当然このといれにもそのバケツが用意されていた。 助かった、このバケツがなければティッシュを捨てる場所がない。 たとえトイレとペーパーでも、便器に捨てるとたちまち詰まってしまう可能性が高いのだ。 三峡老街 話は脱線するが、僕がカトリック幼稚園に通っていた頃、カトリックのマザーが僕の母親にこんなことを話していたという・・・「Mちゃんは時々パリやベルンの話をするんですよ。昔住んでいたって言うんだけど、それが、話に出てくる街並みや建物のことが自分の知っているパリやベルンと同じなんですよ。」 このマザーは以前、フランスやスイスの修道院にいたことがあり、パリにも住んでいたことがあるのだけれど、僕はそんなことを話した記憶はないのでこのことが何を意味するのかわからない。 僕は無神論者だけど神社仏閣、教会などは大好きだ。 旅先でこれらを見つけると出来る限り訪れることにしている。 曹さんはこのことをよく知っていて、前回の旅でも幾つかの寺院に連れて行ってくれた。 彼は生粋のビジネスマンではあるが、台湾人としての誇りを持ち、彼らの文化や歴史についても恐ろしい位に豊富な知識を持っている。 それを嫌味なく自然に、分りやすく披露してくれる。 彼やほかの外国人が日本に来た時、果たして僕は彼と同じようなことが出来ていただろうか? 国際化だのグローバライゼーションだのと言われ、多くの日本人が外国に語学の勉強や仕事に出かけている。 語学が堪能になっても、何を話せるかってことが大切だと思う。 宜蘭 三峡老街を後に車は台湾北東部に位置する宜蘭(イーラン)に向かう。 宜蘭は何度も通過したことはあるが、ここは同行してくれている林さんの生まれ故郷だという。 街中を抜けて車はどんどん山の中に入っていく。 すれ違う車も殆どなく、車はどんどん高度を上げていく。 一体どこへ行くんだろうと思っていると、あるカーブを抜けた所で停車した。 林さんによるとこの島は亀山島(亀島)と呼ぶらしく、ウミガメに似ていることからこう呼ばれるらしい、 訪れた時期だとイルカやクジラウオッチングが出来るらしい。 船で観光もありえるのだけれど、この場所は林さんが小さいころから来ていて、この場所からの眺めが一番好きなのだという。 その姿をぜひ見せたかったと言うことらしい。 どんな観光より、この気持ちは大歓迎です。 KAVALAN ウイスキー 日本のウイスキーは今や世界に冠たるものだと思っているが、台湾のウイスキーが凄いことになっている。 ここ、宜蘭にあるカバランのウイスキー工場は2005年に創設され2008年に初出荷をした。 そして2010年、エディンバラで開かれたブラインドテイスティングイベント以来、世界のコンペディションを総なめしていると言うのだ。 僕は北海道余市のニッカウヰスキー蒸留所の雰囲気が大好きで、妻の実家へ行く度訪れている。 余市のような歴史の重みを感じる雰囲気はないが見学、試飲、買物と結構楽しめる。 それにしても、前回と言い今回と言い、どっかで止まるたびに果物やお摘み、飲み物を買ってくれ食べちゃしゃべり飲んじゃしゃべりで、どうも今回も随分太りそうだ。 そうこうするうちに、車外に湯煙が見え出した。 「さあ、一汗かいてから温泉に入ろう」と、曹さん。 ひなびた温泉地のようで、ちょうど谷間になったような所に何か所かの建物が見える。 車を降りるとまずは山歩きらしい。 遊歩道がありそこを登っていくが、残念ながら去年の台風で道が崩れたらしく、途中で引き返す。 曹さんからタオルと石鹸を渡され温泉へ。 ここは露天風呂だけのようで、中に入ると結構広い。 殆どが地元の人だろうか? でも、中には白人もいて、その所作をみているとこちらに住んでいる人のように見える。 皆より早く出た僕は煙草を吸いたくなり、喫煙所を探すが見つからない。 温泉街の入り口近くの管理棟らしいところまで歩き、棟内にいたスタッフらしき人に英語で喫煙所の場所を聞いてみるが中国語しか返ってこない。 仕方なく、煙草を吸うしぐさをすると、人差し指を下に向けてそこだよと言うしぐさを返してくる。 灰皿を探すがそんなものはどこにもない・・・っと、自分の足元を見ると下はグレーチングになっていて、そのグレーチングの隙間には何本もの吸い殻が引っ掛かっている。 下は溝になっていて、流れきれてない煙草の吸殻が結構溜まっているではないか。 郷に入っては郷に従えです。 ここはスタッフの指示に従って、その場で煙草を吸わせて頂きました。 皆が風呂からあがると、別の棟に移動して少し遅めの簡単な食事をとり、これから目的地の阿里山へ向かう。 今回の訪問に先駆けて、曹さんからは行きたい場所を聞かれていた。 仕事で来ていた頃から、曹さんからは日月潭と阿里山にいつか連れて行くからということを言われていたこともあり、今回は阿里山を希望したのだ。 |